山本ブログ

山本が新規事業領域でつづるブログ。オプトインキュベーション本部所属。

再現可能なものから再現不可能なものへ

相変わらずアメリカからは大きな買収のニュースが流れてきますね。

 

Facebook、メッセージングサービスのWhatsAppを190億ドルで買収。独立運用を継続

 

190億ドルってなかなか実感が沸かない額です(汗。もちろん全部が現金じゃなかったりもしますが。実現はしませんでしたが、同じくFacebookのSnapchatへの買収提案も話題になりましたよね。

 

Snapchat Spurned $3 Billion Acquisition Offer from Facebook

 

両方とも盛り上がり具合やユーザー数はもちろんすごいのですが、最近のトレンドとして、”今そこでしか起こり得ないこと”がさらに人気になっているのかな~と感じます。

 

Snapchatはある一定時間を経過すると写真が消滅します。Whatsappもリアルタイムで会話をすることを楽しむアプリです。要はデジタルの世界であまりに複製が簡単になってしまい、誰もが同じコンテンツを手軽に楽しめるようになった結果、コピー可能なコンテンツよりも、コピー不可能なコンテンツの方に人気がシフトしているのではないかと思うのです。

 

 

音楽業界におけるライブの盛り上がりなどもその一例だと思います。

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出典:一般社団法人 コンサートプロモーターズ協会

 

もちろん後からライブ映像を見たりすることもできるわけですが、実際にその場にいた人達との楽しみ度合いの差は大きいわけで、それもあって年々参加者が増えていっているのではないでしょうか。

 

ゲームでも同じ流れを感じたのがこちら。

Twitch視聴者のコメントで操作する「ポケモン」はおそらく史上最高のMMOソーシャルゲーム

MMOはMassively Multiplayer Onlineの略です。

元々Twitchというゲームプレイ動画ストリーミングサイトでは誰かがプレイしている、もしくは誰かと誰かが対戦プレイをしている動画をストリーミングするサイトでした。このサイトに、複数プレーヤーが主人公の動作をチャット入力欄から指示できる機能をつけたところ、100万人が同じゲームのプレイに参加し(チャット入力欄からコマンドを入力し)、1つのゲームをクリアしたとのことです。要は数100人、数1,000人単位で同じゲームを同時プレイしたということです。

 

THE CROWD DOES THE IMPROBABLE, COLLECTIVELY BEATS POKEMON GAME

↑こちらの記事によるとこのポケモンゲームをクリアする平均時間は約25時間のところなんと392時間、16日以上をかけてクリアしたというのです。

 

ゲームには「アナーキーモード」と「デモクラシーモード」があり、アナーキーモードだと入力されたコマンドは全部反映されるのだそうです。

 

つまり・・・

up

left

up

up

right

のようなコマンドが次々と入力され、全くゲームが前に進まない!という何ともストレスフルな状況が生まれことが容易に想像されます。デモクラシーモードでは一定期間内で最も多く投入されたコマンドが反映されます。動画を見てもらうとわかりますが、同じ動作を延々と繰り返していたりします・・・(笑)

 

 

 

いずれにしろ自分が思ったようにゲームが進むことはほぼ皆無と言っていいでしょう。こんなストレスフルなゲームに100万人が参加し、同時視聴者数が7万人を超える人気となったというのは、単純にマニュアルを見て25時間ほどでクリアする以上の面白さがあったからに他ならないのではないでしょうか。

 

これまでもYoutubeにアップされたゲーム動画は人気でしたが、どちらかというといかに早く、効率的にクリアしたか、面白いプレイの仕方などが中心だったのではないでしょうか。

 

それが今は、世界中のプレーヤーと一緒になって一つのゲームをクリアする、というコピー不可能な体験をすることに注目が集まっているのではないかと思います。ニコ動と同じ雰囲気かもしれませんね。

 

モバイルゲームでもこの流れ、来そうですね。

モバイルアプリが1000万ダウンロードされたTwitch, この機に乗じモバイルSDKをリリース