山本ブログ

山本が新規事業領域でつづるブログ。オプトインキュベーション本部所属。

googleの検索が衰退期に?

google検索と言えば、世の中の情報を知るための一番重要なツールと言ってもいいでしょう。インターネットが生まれて、ホームページが作られるようになり、ブログができて誰もが情報発信できるようになり、ツイッターはさらに簡単な情報発信方法を与えてくれました。その結果ネット上にある情報量はとうて人間が自力で探せるようなものではない莫大なものになりました。

 

その結果自分が知りたい情報をキーワードに応じて引っ張ってきてくれるgoogleの重要性が高まりました。彼らのミッションは「Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです。」となっています。まさにインターネットの正解では必要不可欠な存在と言ってもいいですよね。

 

しかし、最近ちょっと事情が違うようです。

Here's Why I Use Google Less And Less

Business Insiderの記事ですが、グーグルをどんどん使わなくなっている理由を述べています。筆者はMark Cubanというアメリカの実業家で(Mark Cuban のWikiはこちら)、1999年には自ら設立したインターネットラジオAudionetをYahoo!に57億ドルで売却し、その後ケーブルテレビや衛星放送経由の高精細度テレビ(HDTV)放送局を運営するHDNetを設立しています。NBA のバスケットボールチーム、ダラス・マーベリックスのオーナーでもあります。

 

そのマーク曰く、グーグルを使わなさが、これまでに比べて2分の1、3分の1というレベルではなく十分の一くらいだというのです。

 

その理由として挙げられているのがスピードです。グーグルでは情報が遅いと言います。

 

以前は何か伝えたい情報があると、その情報がウェブ上にアップされ、クローリングされて、インデックスされて、検索されて初めて世の中の人達に伝わるというプロセスでした。このプロセスにリアルタイム性がないということです。

 

もっと早く情報発信できるものとしてTwitterFacebook、Pinterest、TumblrInstagram、SnapChatなどがあると言います。またFacebookが登場した時にも話題になりましたが、Facebook上の情報はグーグルにインデックスされません。Pinterest、Instagramの情報はインデックスはされますが、彼らの本質的なデータである画像については、キーワードによる検索というアプローチがどこまで有効かは若干疑問です。検索、もしくは「探す」という行為の中で使われているのはハッシュタグです。Tumblrも含めて利用者はキーワード検索によるアプローチを重要視していないのではないかと思います。

 

そしてSnapChat。affinityアプリ、消滅型アプリと呼ばれますが、データを残すこと自体をしません。一定時間経過後にデータは消滅します。インデックスする、しない以前の問題ですね。

 

マークはNBAの試合について何か知りたいと思ったら、グーグルを検索するよりも、TwitterFacebookInstagramなどを見る方が早いというのです。

 

これはマークは書いていませんが、最近の傾向として情報の消費の仕方は「読む」というよりは「見る」もしくは「感じる」という流れがあるのではないかと思います。特にいわゆるエンターテイメント系の情報、スポーツや音楽のライブなどはその典型例ですが、いかに早く消費できるか、消費のinstant化です。自分が何を探しているか、要はキーワードを考える暇はそこにはないのかもしれません。Twitterがテキストによる情報商品のinstant化の究極系だとすると、画像の場合はInstagramが登場し、さらにはSnapchatがそれを更に高めています。

 

筆者が言うように、Googleを使わなくなることはないでしょう。株式市場の情報や企業情報、商品情報については引き続きGoogleを使うと言っています。依然としてGoogleの重要性は変わっていないということです。

 

ただし、情報の消費の仕方はどんどん変化しているということですね。少し前まではウェブに情報を発信する時に一番重要だったのが、いかに検索エンジンに素早くインデックスされるのか、ということだったのですが、そのルールが情報の種類によっては変わってしまったということですね。

 

もちろんグーグルもこの状況に対して黙っているわけではないですよね。Google+はもちろんのこと、いろいろな手を打ってきている、今後も打っていくのだと思います。